目次
はじめに
事業戦略策定の第一歩として、競合環境の分析が挙げられます。
今回は競合環境の分析方法について記載していきます。
分析方法について
分析方法として有名なのが、ポーターが提唱した5つの競争要因(ファイブフォース)から分析していく方法です。
業界の競合他社だけでなく、他の4つの競争要因も重要であり、その業界の収益性を決定します。
1.既存業者の敵対関係
業界内の競争がどのくらい激しいのか。
・競合他社の数
・競合他社の規模が同じくらい
・差別化ができていない
・価格競争
2.新規参入の脅威
業界に新たな業者が参入してくる脅威。
参入障壁の高さが低いと、新たな業者が参入してくる可能性が高い。
下記の場合は参入障壁を高くすることができる。
・独自の技術力
・設備が高価
・流通チャネルが排他的
3.買い手の交渉力
顧客の力がどのくらい強いのか(パワーバランス)。
値引き交渉されて、収益が上がりにくい。
4.売り手の交渉力
仕入れ供給業者の力がどのくらい強いのか。
供給サイドが独自の技術を持っていたり、寡占業界であれば高い価格で購入しなければいけなくなり、
安く仕入れることができなくなる為、収益性が下がる。
5.代替品の脅威
ユーザーのニーズを満たす他の物やコト。
レコード → CD → MD → iPod
など、同等の機能を持つ新しい物が普及すると、現在のものは淘汰される。
業界分析をしてみる
競合環境を★で表します。
★ ・・・悪い
★★ ・・・普通
★★★ ・・・良い
■web制作業界について ★(悪い)
1.既存業者の敵対関係 ★
競合他社多く、価格競争になりやすい。
2.新規参入の脅威 ★
技術ハードルが低く、常に新規参入の脅威がある。(最近はプログラミングスクールでweb制作しているところも多いみたい)
3.買い手の交渉力 ★
他社との相見積もりを取られて価格競争になりやすい。
4.売り手の交渉力 ★★★
売り手は無いようなものなので、関係なし。
5.代替品の脅威 ★★
顧客自身で自由にweb制作ができるようになれば、脅威となる。
デザイナーは必要かもしれないが、プログラマーは不要になる可能性がある。
■不動産仲介業界について ★★★(良い)
(最近、不動産仲介業者さんとやり取りをしたり、色々調べたりしたので…。)
1.既存業者の敵対関係 ★
競合他社多く、価格競争になりやすい。(仲介手数料)
2.新規参入の脅威 ★★
参入障壁はやや高そうに思える。会社同士の横のつながりも有りそうに見えた。
不動産仲介には売り担当(マンションを売りたい人の担当)と買い担当(マンションを買いたい人の担当)があり、
売り担当と買い担当が別の会社で、会社同士の仲が悪いと、売り担当が囲い込みをして物件を購入させない…ということもできる(らしい)。
個人で行う場合も宅建資格が必要と思われる。
3.買い手の交渉力 ★★★
客からの値引き交渉は日常茶飯事だが、基本的には物件に対する値引きとなる。
収益となる仲介手数料は、下げないところが多い。
4.売り手の交渉力 ★★★
物件を仕入れて売るのではなく、売れたら仲介手数料を貰う形態なので、売り手による値段の吊り上げ等はない。
5.代替品の脅威 ★★★
不動産の仲介マッチングシステムができれば、人が介在しなくて良くなるが、
これは宅建法的には難しいので、完全なC to Cとしては現状の法規制上は難しい。
ある程度、人が介在すれば、半自動化は進められるかもしれない。
■ITコンサル業界について ★★★(良い)
1.既存業者の敵対関係 ★★★
競合他社の数は比較的少なく、同じ価格帯の同業他社は少ない。
2.新規参入の脅威 ★★
技術ハードルが高いが、資格は必要ない為、参入障壁は中くらい。
3.買い手の交渉力 ★~★★
社内にIT担当者が居たり、ITコンサルが必ずしも必要なものとは限らない為、パワーバランスとしては買い手の方が強いか。
どれだけの付加価値を付けられるかを提案できれば、交渉をかいくぐることができるかもしれない。
4.売り手の交渉力 ★★★
売り手は無いようなものなので、関係なし。
5.代替品の脅威 ★★★
企業のあらゆるお困りごとに対してITで解決したり、
幅広い経営資源を考慮した上で、IT戦略を立てたりするため、変動要因が多い。
機械やAIのような代替品は、まだ現れにくいと考えられる。
おわりに
個人的な意見ですのであしからず。
お読み頂きありがとうございました。